遺産分割証明書

遺産分割・遺留分

1 遺産分割協議書の様式

遺産分割協議書を作成する際には、1通の協議書に共同相続人全員が署名・押印することが通常です。

一方で、実務上、多数の相続人が遠方各地にいらっしゃるような件で、同一内容の遺産分割協議書を、相続人の数と同じだけ作成し、相続人各自が署名押印をする形で対応することもあり、「遺産分割証明書」と呼ばれています。

2 留意点

民法上、遺産分割協議書は全員で1通の協議書にすべきなど、特別なルールがあるわけではありません。よって、1に記載の「遺産分割証明書」の形式によっても遺産分割協議書として有効であり、登記の受理もされます。とはいえ、後の紛争の蒸し返しを防ぐためには、1通の協議書に共同相続人全員が押印する方が良いかと存じます。また、「遺産分割証明書」の形式による場合でも、以下の点は、最低限ご留意をいただくべきです。

■共同相続人全員分について証明書を作成すること(各自、住所・氏名の記入と実印での押印)

■被相続人の特定に必要な情報、相続人が遺産分割内容に合意したこと、及び、合意した内容を明記すること

■各自の証明書について内容を同一にすること

 

 

弁護士: 立野里佳