相続資格の重複と相続分
遺産分割・遺留分
1 相続資格の重複とは
ある相続人が、被相続人との関係で、相続資格を複数有する場合のことを「相続資格の重複」といいます。
2 養子かつ代襲相続人である場合の相続分
相続人Aが、祖父Bが死亡した場合に、祖父の孫でもあり(祖父の実子である親Cは既に死亡)、かつ、祖父Bの養子でもある場合、養子としての相続資格と孫としての代襲相続の資格の双方の地位を有しており、双方の相続分を取得することができます。
3 配偶者かつ兄弟である場合の相続分
相続人Aが、被相続人Bの配偶者であり、かつ、被相続人Bの親と養子縁組をしているため、被相続人Bと兄弟姉妹の関係にあり、さらに被相続人Bとの間に子がいない場合、
相続人Aは、配偶者としての相続資格と、兄弟姉妹としての相続資格を有することとなります。
しかし、この場合、実務上、相続人Aは、双方の相続分を取得することが出来ず、配偶者としての相続分のみしか取得しないとされています(昭和23年8月9日付法務省民事局長回答(民甲2371号))。
弁護士: 中川真緒