遺留分侵害額の計算方法

遺産分割・遺留分

 2019年7月1日に施行された改正民法に基づく遺留分侵害額の計算方法をまとめました。

 

 被相続人が相続開始時において有した財産の価額

+相続開始前10年間になされた相続人に対する婚姻・養子縁組のため又は生計の資本としての贈与(当事者双方に害意がある場合はそれ以前になされたものを含む)

+相続開始前1年間になされた第三者に対する贈与(当事者双方に害意ある場合はそれ以前になされたものを含む)

-被相続人の債務の全額

=遺留分を算定するための財産の価額(民法1043条1項、1044条)

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 遺留分を算定するための財産の価額

×民法1042条に規定する総体的遺留分率

×遺留分権利者の法定相続分率

=遺留分額(民法1042条1項柱書)

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 遺留分額

-遺留分権利者が受けた特別受益の額(民法1046条2項1号)

-民法900条から902条まで、903条及び904条の規定により算定した相続分に応じて遺留分権利者が取得すべき遺産の価額(民法1046条2項2号)

+被相続人が相続開始の時において有した債務のうち、民法899条の規定により遺留分権利者が承継する債務(民法1046条2項3号

=遺留分侵害額

 

 遺留分侵害額の計算方法は上記の通りですが、財産の評価により金額が異なることもあります。遺留分侵害額請求権には消滅時効がありますので、遺留分が侵害されているかが気になったときは、お早めに当事務所までご相談ください。

弁護士: 斉藤聡子