法定相続情報証明制度の手続き

遺産分割・遺留分

1 法定相続情報証明制度とは

相続登記や預金払戻等の相続に関する手続においては、被相続人と相続人の戸籍書類等一式の提出が求められます。これらの戸籍書類等一式は、複数取得するにはその分費用がかかり、他方で、1通を使いまわす場合は、同時に複数の手続を進めることができません。

法定相続情報証明制度を利用すれば、法務局による認証のある法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることができます。法定相続情報証明制度自体は手数料無料の手続きであり、かつ、一度の申出で複数枚の法定相続情報一覧図の写しの交付を受けることもできるため、相続に関する手続において有用です。

法定相続情報一覧図の写しは複数枚取得できるところ、遺産分割前の財産調査のためにも有益な書類ですので、5枚以上は貰っておいてもいいでしょう。

2 申出者の資格

相続人、又は当該相続人の地位を相続により承継した者であれば、誰でも申請可能です。

3 申出先

以下のいずれかの地を管轄する登記所です。なお、申出及び法定相続情報一覧図の写しの交付はいずれも郵送によっても行うことができます。

⑴被相続人の本籍地
⑵被相続人の最後の住所地
⑶申出人の住所地
⑷被相続人名義の不動産の所在地

4 申出に係る費用

申出の際に必要な書類の取得には費用がかかりますが、手数料自体は無料です。

5 申出の際に必要な提出書類

申出の際の必要書類は以下のとおりです。なお、委任状以外の必要書類は、申出の後に返却されます。

【必須書類】

①法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書
 書式:https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000416.html
②被相続人の戸除籍謄本(出生から死亡までの全てのもの)
③被相続人の住民票除票又は戸籍附票
④相続人全員の現在の戸籍謄本又は戸籍抄本(証明日が被相続人の死亡日以後のもの)
⑤申出人の氏名・住所を確認できる公的書類
  例1)運転免許証両面の写し(原本と相違ない旨の文言を付したもの)
  例2)マイナンバーカード表面の写し(原本と相違ない旨の文言を付したもの)
  例3)住民票記載事項証明書
⑥法定相続情報一覧図
 書式:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html
 ※以下の事項に注意して作成したもの1通が必要です。
  ・A4サイズの白い紙であること。
  ・相続人の住所の記載は任意である。
  ・相続放棄をした相続人についても記載する。
  ・廃除された推定相続人については記載しない。

【申出内容によっては必要】

⑦各相続人の住民票記載事項証明書(法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載する場合)
⑧返信用封筒及び郵便切手(郵送による一覧図の写しの交付を希望の場合)

【代理人による手続の場合に必要】

⑨委任状(返還を求める場合は、原本と相違ない旨の文言を付したうえで、代理人の記名・押印のある写しも必要)
 書式:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html

⑩-1親族代理人の場合:
 申出人と代理人の親族関係が分かる戸籍謄本(上記①又は③に含まれている場合は不要)

⑩-2弁護士等資格者代理人の場合:
 資格者代理人団体所定の身分証の写し等
  例1)職印の印鑑登録証明書
  例2)日本弁護士連合会発行の身分証両面の写し(原本と相違ない旨の文言を付したうえで、代理人自身の記名・押印のあるもの)

6 再交付申出の際に必要な提出書類

一度法定相続情報一覧図の写しの交付を受けた申出人又はその代理人は、以降5年間、以下の書類を提出することで、法定相続情報一覧図の写しの再交付を受けることができます。

【必須書類】

①法定相続情報一覧図の再交付の申出書
 書式:https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000416.html
②申出人の氏名・住所を確認できる公的書類
  例1)運転免許証両面の写し(原本と相違ない旨の文言を付したもの)
  例2)マイナンバーカード表面の写し(原本と相違ない旨の文言を付したもの)
  例3)住民票記載事項証明書

【申出内容によっては必要】

③返信用封筒及び郵便切手(郵送による一覧図の写しの交付を希望の場合)

【代理人による手続の場合に必要】

④委任状(返還を求める場合は、原本と相違ない旨の文言を付したうえで、代理人の記名・押印のある写しも必要)
 書式:https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html

⑤-1親族代理人の場合:
 申出人と代理人の親族関係が分かる戸籍謄本(上記①又は③に含まれている場合は不要)

⑤-2弁護士等資格者代理人の場合:
 資格者代理人団体所定の身分証の写し等
  例1)職印の印鑑登録証明書
  例2)日本弁護士連合会発行の身分証両面の写し(原本と相違ない旨の文言を付したうえで、代理人自身の記名・押印のあるもの)

弁護士: 土井將