遺言執行者の辞任方法

遺言執行

1 はじめに

遺言執行者とは、死亡した遺言者に代わって遺言者の最終意思を実現するために遺言の執行を行う者であり、遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務が認められています(民法1012条1項)。

遺言執行者に指定された人が遺言執行者に就任することを承諾した場合、直ちに遺言執行者に就任することとなります。

 

2 辞任方法

 遺言執行者に就任したものの、相続トラブルに巻き込まれたため、遺言執行者を辞任したいと考えた場合でも、簡単に辞任することは出来ない点、注意が必要です。

遺言執行者を辞任する正当事由の存在がある場合に限り、裁判所の許可を得て辞任することが可能となります(民法1019条2項)。具体的には、病気のために長期の療養が必要な場合、長期の出張がある場合、多忙な職務がある場合に遺言執行の任務を果たせない事情があると言った場合に、正当な事由が認められることとなります。

 

3 最後に

 遺言において遺言執行者に指名された場合、就任を辞退することは自由ですが、一度就任を承諾した場合、簡単に辞退することが出来ません。

 相続手続きにおいて、不明な点等ございましたら、ぜひ、ご相談ください。

弁護士: 中川真緒