葬儀費用や香典

遺産分割・遺留分

1 葬儀費用

 

 葬儀費用(通夜、告別式、火葬、埋葬等の費用)は、相続が開始した後に生じた債務であることから相続債務には該当しません。ただし、遺産分割の当事者全員が合意すれば、遺産分割の中で誰が負担するか、平等に負担するか等決めることも可能です。その支出金額や分担について争いがあるとき、遺産分割調停などの調停の中で解決を図ることができますが、調停で解決できなければ、個別に民事訴訟手続で解決されることとなります。

 

2 香典

 

 香典は、弔意の気持ちをお金で表し、葬儀費用などの遺族の経済的負担の軽減を目的とする喪主や遺族への贈与です。そのため、遺産分割の対象にはなりません。ただし、実際には、遺産分割の中で考慮されることが多く、当事者全員の合意により、香典を考慮して遺産分割協議の調整を図ることは可能です。

弁護士: 仲野恭子