相続人以外の方に相続させたい場合の遺言書

遺産分割・遺留分

1 法定相続人以外の方に相続させたい場合の遺言書

法定相続人ではない第三者に遺言書で財産を譲る場合には、「相続させる」との表現ではなく、「遺贈する」と記載します。

包括遺贈の記載例
 遺言者は、遺言者の有する一切の財産を、孫のA(平成 年 月 日生)に包括して遺贈する。

なお、「遺贈する」との記載をする場合、不動産登記は相続人との共同申請になります。
相続人の負担を避けたい場合や相続人の協力が得られそうにない場合には、遺言執行者の指定も行い、遺言執行者と受贈者だけで登記できるようにしたほうがよいと考えます。

また、仮に、遺言者は・・・Aに相続させる、と記載してしまった場合でも、遺言者はAに遺贈すると解するべきであると判断した裁判例(東京地裁判決平成30年2月28日)もありますので、直ちに遺言書が無効になるわけではなりません。

 

2 法定相続人以外の方に遺贈させる場合の税金について

①被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の方が遺贈により相続税を支払う場合、相続人と比べて相続税は2割加算となります。

No.4157 相続税額の2割加算|国税庁 (nta.go.jp)

 

②包括遺贈の場合であれば、不動産取得税はかかりません。

※特定遺贈で相続人以外の第三者が取得する場合であれば、相続税のほかに不動産取得税がかかります。

府税Q&A:不動産取得税/京都府ホームページ (pref.kyoto.jp)

 

③登記時の登録免許税は相続人の場合よりも税率が高くなります。

No.7191 登録免許税の税額表|国税庁 (nta.go.jp)

弁護士: 仲野恭子